Tokyo HideOut

アラフォー外資系金融勤務のゲイHideが描く日常

お金で愛を買う - Case1 マッサージ師 (Part2)

愛をお金で買う Case1 (Part1はこちら)

http://hide0016513.hatenablog.com/entry/2016/11/21/001305

2回目のタイマッサージは11月初旬の肌寒い土曜日の朝。身潔のつもりで早朝からバスタブに浸かり、今日はSさんセッションやわーと、彼に再開できる期待を胸に僕は広尾へと向かった。

2回目だからかお互い少しはリラックスして話せる雰囲気に。「このパンツ変わっていますね。何用のパンツなんですか?」施術着はジャージ素材の手触りがいいコットンパンツ。足首がゴムで絞られていて、足首までは非常にボリュームがある珍しいシルエット。「それはねー、インドで買ったんだけど、サリーの下に履く用なんだと思うんだよね。あまりにも着心地がいいから、ここの施術着にしてるんだよ」フットバスで優しく脚をマッサージしながらSさんはこう答えた。フットバスの中から香るユーカリとティーツリーの香りが自分好みで良い。THREE好きな自分としてはとても心地よい。

 

今回も前回同様のプロセスでマッサージは始まったが、中盤以降、お腹を触られると急に苦しくなった。他人への拒絶反応だと彼は言っていたが、2回目のセッションで、しかも仰向け。お腹を触られると動物の本能で、そりゃー拒絶したくなるのは当たり前ではないんかい!と突っ込みたくなる。その後何故か、股間を攻めてくる彼。「マジかー…」と焦る僕。彼はタイマッサージの要領で僕の腕引き上げながら、座って彼にハグをする様なポジションに。そこからSさんの手が僕の手を、彼の膝に置く様に促す。


「ヤバい。自分の股間、めっちゃ硬いんやけど…」何とか深呼吸で落ち着こうとさせるが、彼の手は未だ僕の股間の上にある。
「射精したいですか?」と耳元でささやく彼の声が。そんな展開を期待していなかっただけに彼の発言に驚いた。「いや、それは…」返事に窮していると、「ここは修行の場ではありません。瞑想もヨガも日常の一部なんだと思います」えーと、これって私のチンポにおいてある手と何か関係ある…?全く意味が分からん。結局欲望に負け、彼のなすがままに。「イク顔を見せて」と言われそのまま自分の腹の上に撃射。あーあ、やっちゃったわ。最初に「パッケージ化されたエッチはもう欲しくない」って一応彼に言ったよね。全く聞いてないやん!男は誠に哀しい生き物だ。「いっぱい放射状に出たね。泣きながらイッことってある?イかせたいなぁ」と髭面のSさんは僕の顔を撫でながら、こう言った。


果てて疲れた僕をハグしながら、「出来ないこともあるけど、ハグをしてほしければするし、射精を望むので有ればする、話を聞いて欲しければ聞くし、そこは上手く使ってくれればいいんだよ」「こちらも施術しているのに、ラポールを感じられなくて寂しかったんだ。それでHideさんには射精が必要だと思ったんだよ」


違う、自分が求めているものはこんなパッケージ化されて切り取られたコミュニケーションじゃない…喜怒哀楽含めた日常生活のコンテクストから得られる他愛のないコミュニケーションなのに。しかも、ラポールって、たった2回目の施術で形成されるようなものではないじゃないか。しかしほんなら行くなよ!っていうツッコミ至極真っ当です。あー自分ってアホやな。彼は自分が告白しても相手にされるような人じゃないし。真面目な気持ちで彼とお近づきになりたいと考えていた僕の心はちょっとだけ傷付いた。果てた後に遣り切れない後悔が残るばかり。


そんな気持ちでお別れの挨拶をした後、Sさんの自宅のドアはあっさりと閉められ、こんな自分の思考も何処かに捨てられたような気がした。自分はバンドマン(後述)との一件から何も成長していない。


今回の顛末をゲイ友に話すと「次に好きな人が見つかれば、まあ忘れるよ」という返事だったが、次とか暫く無いねん… しかし、理想を自分の中で勝手に高めて、現実の基準感を肌で知らないのは結局の所は自分だった。誘われる事はゼロでは無いのに、そこで切り捨ててしまうのは、僅かな可能性を捨ててしまうことで賢明では無い。今後はどんな誘いに対しても、アルテイシアの「三顧の礼」では無いが、きちんと3回会ってから判断しよう。愛をお金で急いで買おうとしても、結局は自分の心を傷付けるだけだ。


僕はSさんを崇め奉り、教祖として勝手に憧れていた。それは裏返すと自分への自信の無さと自尊心の低さから来ていたもの。特別な人に見えたSさんは、結局の所「年下が射精するところを見たい、射精管理して泣かせたい」という若干の変態男であった… 耳元で囁く言葉はよくよく考えればロジックも通っていないエゴな主張。しかしあれはマインドコントロールに近い。危うく僕も射精管理されてマインドコントロールされるとこだったか。以前絡んだケヴィン(後述)のように、家具や壺も買わされたかもしれない… 


40歳にまでやるべき事、先ずは忍耐力を持ってコミュニティに参画し、友達と関わっていく事。お金を払って射精をし、ハグをしながら会話をする擬似彼氏を数十分味わった所で、自分の人生は何も変わりはしない。

 

(本日の一軒)
台湾料理 麗郷 富ヶ谷
大好きなエリア富ヶ谷台湾料理屋。サンラータン麺が美味い。これまで自分はランチ時の利用のみ。あのサービスの雑さに反して、サンラータンの味は地元並み。楽天CEOの三木谷氏も訪れる地元の名店。夜に一度行ってみたい日常使いの台湾料理屋である。

 

麗郷 富ヶ谷
03-3485-3052
東京都渋谷区富ヶ谷1-14-18 ハウス池田
https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131810/13061515/

ゲイ恋愛就職活動

ゲイの恋愛活動は就職活動と似ている。スマートフォンの普及率が60%近くなって来たネット社会の中で、出会い系アプリが最も頻繁に活用されているツールだ。そこでの重要事項は、如何にプロフィールの写真が男前か、身体の筋肉が凄いか、の2項目に集約されるんではないか。

最近は自分の年齢も有るだろうが、写真による書類審査→面接(実際に会う)までのハードルが異様に高まっている気がする。待っていれば先ず誰からも連絡は来ないし、こっちからメッセージを送って返信が来る確率は10%以下だ。面接に行けない…イコール友達が出来ない連鎖に陥ってしまう。

しかも通常のノンケの世界の様に合コンが無いのが正直痛い…友人のU-SKは、友達は友達!と厳格なラインを引いていて、紹介してくれる友達の輪の中では恋愛沙汰などもってのほか。友達の輪の調和を取ろうとするちょっと厳しい奴だ。その分、義理人情に厚く、誰に対しても優しい、アツイ男なんだが。

もっと友達の輪を広げていきたいのに、ゲイ受けしない顔がそれを阻害していると自分では思う。ヒゲでも生やして男っぽくしない限りは、みんな興味を示してくれないのだ。最初は友達だとわかっていても、出会った相手がイケメンだと期待はするし、恋人になりたいと願う。しかし恋人と友達の境界線は、ゲイの世界では曖昧だ。友達として会う建前でも、相手が男臭くて自分の好みに近いタイプじゃ無いと会う事は難しい。皆んな理想が高いのだろうが、もう少しいろんな人と出会って、現実的な基準感を肌で感じたら、東京のゲイコミュニティももっと出会いとマッチングが増えるのかもしれない。

大事な事は、筋肉の量よりも、病気の時に一緒にいてくれたり、ピンチの時に助けてくれる人だったりするのだから。往往にして自己愛が強いイケメンに振り回されるより、近所の男子の様な一見普通に見える、しかし地に足のついた堅実な男と一緒に歩む方が、自分にとっては現実的だし、より幸せになれると思う。

現実と理想の調整をする事は大事だ。しかしそのためには自分の人生での優先事項、何が大事で何が大事では無いか、が分かっていないと絞り込みは難しい。僕が最近大事にしている事は、物事に対する有る程度の柔軟性と好奇心。もっといろんな事を体験したいし、できれば友達みんなで楽しみたい。そんな輪の中に好奇心をもって入って来てくれる人がいればいいなぁーと率直に感じる。

就職活動になると髪の色を黒に変え、規定通りのリクルートスーツに身を包み、戦略に則りエントリーシートをSubmitする。自分がやるべき事もきっと同じなのだろう。ジムに行き身体を鍛える、ボディーラインが分かるタイトで且つスポーティーな格好をし、キャップを被る。髭を生やして男臭くて、、書いていると、「これって自己否定?」とも思えてくる。だが、恋愛格闘家のアルテイシアも言っていたが、ゲイ受けする格好をコスプレとして認識して、中身は素の自分をキープしても良い、と。果たして来年が自分のゲイデビューの年になるのだろうか…

 

(本日の一軒)

先日会社の接待で行った麻布十番にあるトルコ料理店。食器から食材まで非常に洗練されていて、静寂の中でのトランプ大統領についてのディスりのギャップが何とも言えないバランスだ。トマトベースのソースが多く、ケバブの匂いもスパイスのせいか、あまり気にならなかった。トルコワインもラインナップが豊富。デートや接待にぴったりのVenue。

 

ブルガズ アダ
03-3769-0606
東京都港区麻布十番3-7-4 麻布六堂 3F
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130702/13055381/

お金で愛を買う - Case1 マッサージ師

お金で愛を買う事は出来るのか?はい、勿論出来ません… とは分かっているものの、自分には直近まで3回、愛をお金で買おうとした愚行の過去がある。僕は3件とも傷ついて終わり、その後、頭がおかしくなった。今回はその中でも一番軽症な直近のCase1 - タイマッサージ師Sさんの件。事の顛末の要約は、仕事としてエッチな事をしているであろう人に対して、あろう事か真面目なデートができたらなぁ、と童貞男子並みの妄想を抱いて、それがあっさりと仕事として処理され、コミュニケーションも断絶されて終わったというケース。35歳にしてこの愚行、痛すぎます。しかしね、最初から射精させられるなんて想像してなかったし(いや、少しばかりは期待はしてたよ)、何よりパッケージ化されたエッチはやりたくなかったのだ。じゃあ射精サービス100%無い普通のマッサージに行けよ、と突っ込まれるであろうが、単に僕は寂しかったのだと思う。お金を払えばゲイのイケメンと会話ができる、という悲しい現実。ちゃんと話せるゲイ友が居ればよかったのかも知れないが…

 

出会いのきっかけはアプリ
我々ゲイが日常的にログインする出会い系アプリ、そのうちでもメージャーなアプリの一つJack'dでの事。Sさんとの接触もそのアプリを通してであった。彼の外見を形容すると、髭面の無骨な中年イケメン、オシャレそうで優しそうな第一印象を受けた。インスタのアカウントもあり、彼のセンスの良い日常がそこから垣間見れる。日々のご飯や使っているもの、旅行で訪れたと推測されるアジアの風景。僕は簡単な挨拶がわりに、「インスタの写真素敵ですね」と短いメッセージを送った。すると翌日彼から返信が来ており、「見て下さって有難うございます!」との返信が。プロファイルをよく見ると、タイマッサージ師をやっているとのこと。「どんな人なんだろう。」僕は好奇心に駆られて、彼のタイマッサージセラピーを予約した。

当日は爽やかに晴れた秋晴れの10月下旬の土曜日。午前中の予約を目指して広尾から彼の指定した場所まで歩く。到着したのは普通のマンション。少し緊張しながらインターフォンを押すと優しそうな男性の声がした。この人がSさんか。しばらくすると髭を生やした優しそうな背が高い男性がドアを開けて姿を現した。部屋の中はすごく良い香りに包まれている。恐らく自宅だろうか。家具もオシャレで非日常的な空間がそこにはあった。

やや密着するタイマッサージは至極普通に進み、足の無垢みを取り除く事から始まって行った。途中で股間近くにも触ってくる時はあったが、特段のハプニングは無し。最後はハーブティーを飲みながら軽く会話を交わして、彼の部屋を後にした。「爽やかで良い人だったな、もっと会話をして彼の事を知れたら良いのに…」特段エッチな事は期待していなかったが、僕は彼の事をもっと知ってみたかった。「どんな人なんだろう。」そんな事を考えながら2週間ほど経ったある日、また僕はSさんに次回のタイマッサージセラピー予約のメールを送っていた。