Tokyo HideOut

アラフォー外資系金融勤務のゲイHideが描く日常

リスクテイク

僕は証券会社で勤務しているが、よく友人から「ヒデってどういう仕事してるの?」と聞かれる。平たく言うと、上場している会社の事業を分析して、この先3年の業績予想を作り、1年後の会社の株価はこうなりますよ、というレポートを書く仕事をしている。お客さんは、我々の年金資産なんかを運用している機関投資家と呼ばれる投資家達だ。僕らの仕事は正式にはセルサイドアナリストと呼ばれ、日経ヴェリタスのアナリストランキングなんかを目にしたことがある人もいるかもしれない。僕はそんな市場の端っこで細々とレポートを書いたり、たまに投資家にプレゼンしたりしている。

そんなセルサイドアナリストも昨今諸々の規制で存在意義を問われる職業となるリスクが高まっている。規制以外にも、銀行、証券会社などの金融機関はAI (人工知能)、ロボティックオートメーションなどのテクノロジーに一部を代替されつつあり、将来的には産業全体の雇用は縮小するのではないか、という見方も一部では強まっているようだ。

リーマンブラザーズがChapter11を適用される以前の米国不動産発のバブル時期では、証券会社のセールス、トレーダー達は億単位のボーナスを稼いでいた。僕らより少し上の金融世代は、今のような時期を見据えて将来のライフスタイルを組み立てていたであろうか。高給取りの旦那を勝ち取った彼等の嫁達は今の様な金融業界を想定していたであろうか。

結局はパートナーの職業や給料なんていつどうなるか分からない、当てにならないものだ。結婚するのに年収や職業は極めて重要な条件ではあるものの、現状が未来永劫続く事は可能性として極めて低いと言えるだろう。そこで重要になるのは、変化する状況に対応して自分の考えや自分の立ち位置を変えて行く柔軟な姿勢だろう。そのためには変化を恐れずに一歩を踏み出してみることから始めてみるのが良い。また結婚や恋愛で重要な事は、弱っちいお互いを認め合い助けあって行く事。金の切れ目が縁の切れ目ではとても遣り切れない。

今年の自分を振り返ってみて最も大きかった変化は、夏頃から数ヶ月間継続したとある男性との「友達以上」の関係だった事だろう。結論としては僕の幼児性で相手に振られれしまい、「友達降格」となってしまった。誠に残念だが現状を受け入れるしかない。しかしここで言える重要な事は、数年振りに誰かと友達以上の関係になると、それまで見えていなかった自分の悪い部分が露骨に現れて来て、自分ですら驚いてしまったという事である。そこで重要なのは臨機応変に状況に対応して相手を気遣うという事。数年以上のブランクがあった僕は、試行錯誤もままならないうちに、相手を「もう限界」という状況にさせてしまった。

友達降格という現状もうまく咀嚼できずにいるのだが、結局は将来なんてどうなるか分からない。もしかすると彼が何か別の良い出会いの機会のきっかけになり得るかもしれない。それまでの僕であれば、友達以上になって好きになった人との過去は全て抹消してしまうのが常だったが、今回はそういう事をやらないようにした。相手のデータを消したところでちっぽけな自分のプライドを必死で守る最後の足掻きにしかならないし、相手にとっては痛くも痒くもない事だ。しかし今の自分が抱いている脅威は、また今後数年のブランクができてしまうと言う事。友達以上の機会をより多く作って、何かしらの良縁ができればいいなと考えている。

こういう経験をすると何事も諸行無常だなぁと思わされるし、つい数か月前までは好きだの会いたいだの言っていた関係でも、何事も無かったかのように会話をしなくなってしまう。一体あれはなんだったんだろうか、と。物事はものすごい速度で変化しているし、一つの事に執着しても結果としてそれが上手くいく可能性は常に未知数だ。

ブログについてももう少し有用な事を書かねばならないなぁと反省している。これまでは赤裸々な性描写も多く読者に変な刺激しか与えて来なかった。それまで僕が抱いていたのは過去に対する「怒り」。それを解消するつもりで赤裸々に詳細を描写したつもりが、結局はネガティブな波長を自分に取り込んでしまうという結果になっていた。

今年も残すところあと2ヶ月程度だが、仕事でもプライベートでもリスクを恐れずに前へ踏み出してみようと思う。一時期は「ゲイ辞職」などと騒いでいたが、わざわざそのようにネガティブに自分を定義付けする理由など何処にもない。最も怖いのは失敗を恐れてあらゆる可能性をシャットアウトしてしまう事だ。了

本日の一軒

オールデイダイニング オリガミ

東京で好きな空間の一つ、溜池山王キャピトル東急ホテルにあるラウンジ、ダイニング。ランチで利用することがほとんどだが、定番のパーコー麺から季節の食材を使ったメインプレートのバリエーションとクオリティにいつも満足させられる一軒。ラウンジの雰囲気も良く、土曜の午前中ゆっくり本を読むには最適な場所。

オールデイダイニング オリガミ

03-3503-0109 東京都千代田区永田町2-10-3 ザ・キャピトルホテル東急 3F https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130802/13117643/

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