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Tokyo HideOut

アラフォー外資系金融勤務のゲイHideが描く日常

村社会との境界線 - 東京都 新宿

訪日外国人観光客が2,000万人を突破する見通しで、2013年ビザ緩和以降の東南アジア、中国からの外客数はうなぎ登りで増加しているようだ。一時期話題にもなった、中国からの訪日観光客による「爆買い」も沈静化し、消費行動には一旦の落ち着きが見られているものの、2020年東京オリンピックに向けて、公共投資と共に、外国人観光客が増加傾向となるのは、現状の株式市場では既定路線として見られている。

 

外国人観光客のせいではないが、新宿は相変わらずのカオスである。先日実家の両親が都内でホテルを予約しようとしたが、新宿近辺の中価格帯ホテルはほぼ満室だったという。

 

僕は新宿が非常に嫌いだ。田舎モンのてめーに言われたかねーよ、という東京都の東部の方々、申し訳ない。しかしながら、どういう事だろうか。新宿は限りなく「地方」を身近に感じる場所である。それは、観光客が多い地区である事、都内でも、都外からの流入が多い事、などが関係しているのであろうか。

 

僕の理解では、新宿は日本の中の「境界」だと思う。地方と東京都23区を区切る境界だ。一方、地方都市は、僕にとっての「村」である。偶然に新卒で東京で仕事をする事になり、偶然に東京都の居住者となることになったが、東京に来た事の本当の目的は、自分の「村」からの離脱だったんだろう、と後付けの結論として感じている。

 

特に僕のようなゲイにとって、地方都市は牢獄に等しい。基本的に同じ都市内に出会いは無い。政令指定都市であるのに、先日帰省した時にアプリを開いて見たが、最も近いゲイは市内から最低1.5マイル離れていた。(東京で開いても基本的に安否確認ツールに成り下がっているので、あまり意味は無いが…)。また、人間関係も必要以上に近い、と思うし、男尊女卑の考え方が未だに若年層の中に生きている。そんな至近距離のコミュニティの中で、いい年をして独身で居続けることで、半ば犯罪にも近い居心地の悪さを感じざるを得ないのである。

 

そんな地方都市は、江戸時代近世の、五人組制度から抜け出せていない「村」社会だ。東京はそんな村社会から離脱できる唯一の場所だと思う。東京でも世田谷等、コミュニティ内の結び付きが強い地区はあるものの、価値観自体は地方とは異なる。「女性だからお見合い相手でも結婚しろ」だとか、 「男は台所には立たない」だとかいう暴論は存在しないだろう。地方の僕達の両親くらいの年代では、未だにこんな事を言い出す人達は、平気で存在している。

 

新宿にいると、そんな「村」である実家を含めた地方を限りなく身近に感じてしまう。それは外部からの流入者や流れ者も受け入れる懐の広い、何でも飲み込んでしまう新宿という街の良い所だ。しかしながら、新宿の街を歩く事で、これまで遠ざけていた地方をこれまでもなく身近に感じ、ノスタルジーと嫌悪感の入り混じった複雑な心境になってしまうのだ。その一方で、僕は、何となく澄ました顔をし、希薄な人間関係の中で日常生活を送れる港区の生活に満足している。港区出身の方にとっての感じ方とは大きく異なるはずで、この感じ方は一部の田舎者が感じる事として、鼻で笑って頂ければ有り難い。

 

僕は今後も東京都の居住者で有り続け、実家の都市に定住することはないと思う。それは仕事というフィジカルな原因でもあるし、価値観の分断も原因でもある。そんな中東京で自分の事を受け入れてくれ、または存在を見逃してくれている周囲の同僚や友人達には感謝している。僕は生まれ育った都市を放棄する選択をしたし、今後の超高齢化の中で地方創生を云々と議論する知能は持ち合わせていない。そんな中、僕は今後も東京の中で漂流し続けて、何処かに流れ着くのだろう、と漠然と感じながら夜中までExcelをたたき続けている…

 

(本日の一軒)
おそばの甲賀 乃木坂


西麻布の蕎麦屋ジモティ蕎麦屋としての扱いなのか、常連客が多い。静かな空間で鴨南蛮蕎麦を味わう至福が何とも…小料理も充実しており、卵焼き、サラダ的な居酒屋小皿も有るのが嬉しい。ふらっと入れる貴重な西麻布の老舗。

 

おそばの甲賀
050-5591-0325
東京都港区西麻布2-14-5
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13047594/