Tokyo HideOut

アラフォー外資系金融勤務のゲイHideが描く日常

お金で愛を買う- Case2 (Part2) 外房の米国人

お金で愛を買うCase2 (Part1)はこちら

http://hide0016513.hatenablog.com/entry/2016/12/10/001128

 

「日本食の甘い味のものが食べられない」とおっしゃる白人Kは、甘辛なんて物は食べられない。蕎麦のカツオ出汁も勿論ダメ、テリヤキもダメ。好物はマクドのスパイシーチキンという相当なジャンキー。外食でここに行こうと言って行くところはおおよそがパスタ。しかも彼が食べるのは毎回カルボナーラだった。

 

そんな彼はお金をあまり持っていないようだ。「お金が足りないから、今回のご飯は出してもらっても良い?」「京都に一緒に行こうよ!でも新幹線代半分しか出せないから、一応払ってもらっても良い?ホテル代は出してくれるとありがたい」
「ここのレストラン行きたいんだけど、お金が足りなくて今回出してくれない?次払うよ」

こう言われて毎回お金を全額払っていた自分。「別に大した金額じゃないから全部払うよ」と言って払っていた。そして京都に行った際の旅費も、千葉市のイタリアンの代金も、結局全て彼からは払われなかった。彼が出すのは300円で買えるマクドのスパイシーチキンだけである。

 

自分は本当に哀しいどうしようもないゲイだった(現在も哀しいゲイである)。結局、彼とのセックスを買うのに、必要だった金額は幾らだっただろうか?

 

二子玉川〜外房までの交通費 (4往復分)
¥2,954×8 = ¥23,632
千葉市内での飲食費(イタリアン×4)
¥5,000×4=¥ 20,000
京都への交通費と宿泊費用(二人分)
¥13,910×4 + ¥23,000 = ¥78,656
諸々食費 (ああ、何だか面倒になってきた…)
¥13,000くらい

 

おおよそざっくり¥150,000程度。10回のセックスで割ると一回分は¥15,000。一般的な射精有りのマッサージと同じ相場だろうか。セックスをやるために外房まで行き、挿入される事で、自分の価値を感じる。何と愚かな行為だろう。結局は自分の感じる寂しさに勝てず、相手の言うがままになった結果がこれである。

 

彼との別れの顛末は、一緒に行った京都の帰り道での事。こちらが旅費を出しているにも関わらず、当日彼が開口一番「新しい財布買ったんだ」と言って、Vivienne Westwoodの財布を見せてきた事だろう。「旅費出せないって言ったけど、財布は買えるわけ?」と言えばいいものの、「それって偽物?」と僕がふざけて言った事を終日根に持っていたようだ。帰り際に、ふざけて言ったつもりの嫌味で彼はブチ切れ、それ以降一言も話さず、僕の隣の席でKは、僕に対する恨みつらみをテキストで送ってきた。しかしスマホのテキストで送らんでええやん…

 

幼稚な二人がセックスをして、順序も考えずどっかに旅行に行くと必ずこうなる。僕も病んでいたのだろう、自分はとんでもないことを彼にしてしまった、と後悔し泣いていた。いや、そこ泣くとこちゃうやん!というツッコミは正常である。そもそも金ない奴と旅行行くなよ… しかし、当時の僕は誰かにすがりたくて、必死だった。セックスと挿入というインセンティブを与えられると、正常な思考も吹っ飛んでしまう自分のアホさ加減に呆れるばかりだ。

 

しかし、後日まだ未練を断ち切れない僕は、彼のアプリアカウント経由で連絡を取ろうとした。会話でも良いから、何かで繋がっていたかったのだろう。

 

自分「これまで貸してたお金はいつ返してくれるわけ?」
K「法的な効力もないし、何もお前に借りた覚えなんてねえよ!」

 

これでやっとアホな自分の目が覚めた。ここまでされないと自分のアホさ加減に気付かないほど自分は重症だった。今もほんの少し徐々に変わりつつはあるけども、3年前もヒモのバンドマンにも同様の事をしてしまった自分を考えると、喉元過ぎれば、という事なのかもしれない。

 

セックスと挿入の先に愛を求めようとして、僕は¥150,000支払った。お金で愛を買おうとしても、結局は雑に扱われて捨てられる。欲情に駆られて始まる関係は、直ぐに飽きが来て居心地が悪くなってしまう。外房の米国人Kはセックスをする相手としてはまあ良いのかもしれないが、人としてはクズすぎた。そしてそんな彼の言いなりになっていた自分も同様にアホだった。

 

どんなにブス・ブサイクでも、プライドは捨ててはダメだ。挿入のために一度プライドを捨てると、Kのような自分の価値を分かっている男は、とことん相手を搾り取ろうとする(たった15万円で大袈裟な…)。相手に理不尽な理由で責められても、逆に自分の非を責めたり、全く逆方向に動いてしまう。お金を幾ら積んでも、何も変わりはしないのだ。

 

追記: たまにゲイアプリでKを見かける事がある。アメリカ人なのに健太郎というニックネームでプロファイルを作っていて、誰か日本人への憧れでも有るのだろうか。間接的に聞いた話では、男にソファ等の家具を買わせて、自分のレオパレスの内装充実を図っているようだ。挿入を対価に家具までも… 外房で彼はそうやって今日も生きている。

 

(本日の一軒)

トンカツ とんき

東京で言わずと知れたトンカツの名店。金曜日に早目に仕事が終わると高確率で行くお店。カウンター越しに見える職人の仕事芸は、ある種のエンターテイメント。一人で彼らの仕事の結果を美味しく頂く。付かず離れずのカウンターがまた心地良い。

 

とんき 目黒店
03-3491-9928
東京都目黒区下目黒1-1-2
https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131601/13002040/