Tokyo HideOut

アラフォー外資系金融勤務のゲイHideが描く日常

ゲイお見合い

巷で既にメジャーとなった男女の結婚相談ビジネス。周囲にも利用している男女はそれなりに増えてきたと思うし、アラサーの女性にとっても一つのツールとなりつつあるようだ。昨年ひょんな事から、ゲイ専用のお見合いサービスをネットの検索広告で発見し、好奇心半分で利用してみることにした。

 

システムとしてが初期登録料10万円のほか、月額会員費用としておよそ10,000円程度の出費となるサービスである。サービスのおおよその流れは以下の通り。

 

⑴初回の登録で紹介所がある事務所に赴き、基本的な必要事項を入力する、⑵毎月テキストで紹介相手の自己紹介文と共に年齢、身長・体重などの基本的な情報がメールで送付されてくる、⑶会ってみるか、会わないかの希望をメールで返信する、⑷紹介所に赴き、ご対面、5分間話してお互いのフィードバックが合致すれば、その後お茶でも、という流れになっている。

 

ここで注目すべきは、実際に会うまで相手の容姿・顔がわからないこと、実際に会って話す時間は5分間であること、であろう。僕はこれまで4名の方とお会いさせて頂いたが、結果として、そのうち2名の方からは、5分後のフィードバックで、ごめんなさいコールを頂いてしまった。結局は視覚的好みから興味を覚えていくというスタンスはアプリの出会い系サービスと変わりはない。大きな声では言わないが、5分間で何がわかると言うのだろうか。しかしながら、顔形は重要な要素なので、話したとことで相手への興味関心が変わるわけではない。

 

結局重要な要素が容姿であるとすれば、ここでのプロセスもアプリとは何ら変わりはないのでは無いか。アプリでは仲介人がいない事で、好みとは外れた相手と会うと非常に気不味い雰囲気が流れる。無理をして1時間程度は一緒に時間を過ごさないといけない。僕は基本的にコミュ障だが、会社に取材に行ったりする事も多いので、差し障りのない話題で1時間乗り切る事はそこまで難しくはない。お見合いサービスではこのような違和感も、5分後のフィードバックでバッサリと切り落とすことができる。そう言う意味では時間の無駄にはならないし、効率的な出会い方なのだろう。

 

とは言うものの、連続してごめんなさいコールを頂くと、正直萎えてくるのも事実。現実が思うように上手くいかないことくらい仕事でもプライベートでも味わってきたが、アプリのように事前に有る程度スクリーニングしてくれても良いのかなと思う(そうなると結果としてアプリと同様の結果になって、最終的に出会いゼロになるストーリーに収斂するのだが…)。

 

男女の結婚相談のように、結婚や出産という目標がない事も、出会いに尻込みしてしまう大きな理由の一つだ。日常的にAnytime Fitnessに通い、Gold's Gymで週末はパーソナルトレーナーと重い鉄の塊を持ち上げても、まだ恋愛活動のリングには立てない。トレーナー並みの筋肉に増量しないと、アプリ上での差別化はほぼ不可能だからだ。ニューヨークに行ってアプリを開いた時の衝撃は半端ない。胸筋のボリュームも違うし、スタイルが違い過ぎる。しかし、その先に何があると言うのだろうか。

 

ゲイってこんなにコストがかかる生き物だったっけ…?ゲイカップルのサンプルが少ない僕からすると、パートナーシップなんて一部のイケメンゲイたちの特権としか思えない。ジムに通い、仕事もし、外見にも気を使い、性格も良いとか正直無理だ。そんなモンスター居るのだろうか…

 

仏道では「一生皆苦」という思想があるようで、乱暴に言ってしまうと、煩悩に支配された人間は常に苦悩に苛まれ、平穏な心には永遠になれないというもの。脳科学の論客には、「恋愛は脳が刺激を受け快楽物質と認識することから、依存状態に陥ってしまう」という主張もあるようだが、恋愛することで生きていると感じていた事は、結局のところ脳が刺激を受け快楽だと認識していたに過ぎない。

 

お見合いにしてもゲイアプリにしても、自分の煩悩を増幅させ、苦悩をもたらすものでしかない。男と何らかの関係を持つ次には、所有欲や相手を知りたい欲求が出てきて、その先の欲望の増幅はとどまることを知らない。好きになってくれない相手を好きになる、お金を払って挿入関係を繋ぎとめようとする、これらはそもそも恋でも何でもなく、脳が刺激を受けて快楽だと認識していた事に過ぎない。結果として身体も心もボロボロになり、痛い自分が残るだけだ。

 

仏教脳科学が良しとする他者との関係について、自分の学習では未だ結論には辿り着いていないのだが、煩悩に塗れた自分のライフスタイルを見直す良い機会になる可能性もあるだろう。他人と会うとパフォーマンスとして過激な発言を繰り返すうちに、煩悩を徹底的に追求しまくる業が刷り込まれてしまったが、結果としてこれが様々なトラブルや苦悩を産むことになっている事は事実。そこで残ったものは、愛を求めてもがいている、醜いアラフォーのゲイ男という事実。暫くは大人しく過ごして、脳刺激の抑制に努めたいと思う(いつまで続くことやら…)。仏門に入る事は未だ無いと思うが。了

 

(本日の一軒)
クリスプサラダワークス 六本木ヒルズ
King George 六本木ヒルズ

 

六ヒルではマストのヘルシースポット。King Georgeは当ブログでも以前に紹介した代官山の六ヒル店。クリスプサラダワークスは、自家製ハムも発色剤やその他添加物なし、ドレッシングもオリジナルで化学物質を徹底排除(多分)。炭水化物とタンパク質はキングジョージのターキーサンドで補充。最近の定番スタイルになりつつなる日常使いヘビロテの2店舗。

 

キング ジョー
03-3403-3537
東京都港区六本木6-2-31 六本木ヒルズ ノースタワー 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13202628/

 

クリスプ サラダ ワークス 六本木ヒルズ
03-6721-1162
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズヒルサイド 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13191811/

 

性産業の転換点(妄想)

アルゼンチンでの男性ストリッパーパーティーの体験談をアラサー女性がブログで記載。アルゼンチン男のストリッパーが筋肉男でチンポがでかい?いや、そんなん知っとるがな、と。日本ではなかなか味わえない貴重な体験って、そんなん知っとるがな…巨根でオーガズムが得られると思うのなら、積極的に自身を輸出すべきだ。日本の婚活市場に興味が無く、マッチョで巨根のラテン男に跨りたいという願望を持って何が悪いのだろうか。

http://sekaishinbun.net/2016/03/18/hot-argentinian-stripper/ 世界新聞: 美男都市ブエノスアイレスでアラサー女男性ストリップを見てきた

 

男女の機会均等、平等化というのなら、「いやちょっくら歌舞伎町のアルゼンチン男性ストリップバー行ってくるわ」、「今夜?悪りぃ、エリカと新宿の白人もっこりお触りバーなんだ」、などというvenueが出来ても良いのでは無いかと感じる(ゲイでも入って良いのなら自分も週一で通いたい)。挿入という物理的な接触がない事や、そもそもちょっくら抜くという感覚が女性にも有るのかどうかゲイの自分はよく分からないが、既述のブログのような女性が居れば、一定のマーケットは有るだろう。

 

そういうサービスのローンチに向けてどのようなターゲット層が想定できるのだろうか。女性用風俗では普段あまり男性との接触も無い、ましてや白人さん?というような女性向けにクローズドイベントとして、アルゼンチンストリッパーやもっこりバーをやっても良いと思う。男性用でもそうだが、風俗ってそういう性サービスとは遠いポジションにいる人達のためのものでも有るし、これを機に海外に自分輸出!というきっかけになっても良いのでは無いか(なんて滅茶苦茶な動機付け…)。

(肉食系女子、世界男狩りの旅)
https://cakes.mu/posts/11761

 

しかしながら、白人ストリッパーの雇用にはある程度のコストがかかるし、東京に呼び寄せる事で彼等には相応のプレミアムを給与に乗せないと来てくれないだろう。デフレ脱却出来ていない日本で果たしてこのようなサービスが成り立つのだろうか。白人ではなく日本人マッチョ男を集めて、インバウンド向けサービスで高めの料金を設定しても良いかもしれないが、アジアの性産業では価格面でバンコクにかなうものはない。やはり東京でのサービスローンチは現実的ではないのだろうか…

 

今後インターネットが我々の生活に浸透していく中で、IoT(物のインターネット)、人工知能といった技術がより身近なものになる事は不可避な傾向と認識していて良いだろう。コールセンターのようなバックオフィスが人工知能に取って代わられる事は既に起こっているし、ロボティックスオートメーションによる様々な作業の自動化、Amazonによる無人化コンビニ、ハウステンボスにあるほぼロボットだけで運営している変なホテル、などなど。労働人口の減少を補うソリューションとしてこれら技術の台頭が期待されるが、一方で僕が属している金融業などでは、バックオフィスの自動化による雇用者の絶対数減少という負の側面も認識しておくべきだ。

 

このようなトレンドの中で、人間にしか出来ないこととは一体何なのだろうか。僕も未だ人工知能については初期の自習段階であるが、芸術、創造といった分野は今後も付加価値を認められ続けるし、僕が週末行っているような整体のような手技を必要とする職業、医療行為についても存続し続けるのではないか。またVR(バーチャルリアリティ)によってより生に近い性行為は体験できる可能性も出てきている。インターネットによりTSUTAYAでモジモジしながらエロビデオを借りる必要は無くなったし、ゲイビデオもダウンロードでほぼ揃うようになっている。特に海外のゲイ向けエロコンテンツはここ数年で大きなクオリティの進化を遂げたと感じる。とは言え、生身の人間を求めるという根源的な欲求は果てないだろうし、そういう事から性産業自体も最終的にはゼロとはならないのではないか。

 

女性の性体験解放とゲイライツの実現には、各種要素である種の相関性も見て取れる。現状の性産業は若年層の消費行動変化や人口減少により衰退していると聞くが、そもそも性産業は男性用だけのものではない。IoTはじめとしたインターネット普及による産業構造の変化は、性産業のポジションを再定義する機会になり得ると期待している。女性向けソフト風俗がもう少し拡大すれば、社会的な性産業のイメージも若干変化し、産業としての再成長も期待できるのかもしれない。メディアでの女性エロトークは、大久保佳代子壇蜜いとうあさこのような一部の芸人や業界人に限定されているのが若干残念な現状だが、これにオネエ系ではないテレビ映りの良いゲイでもぶち込んで、白人のもっこりでも触りながらトークイベントをしても良いだろう。

 

開けっぴろげにエリカとユキが白人もっこりバーに行くには、サービスのローンチも含めてすぐには実現しないだろうが、東京にもそのようなムーブメントが来る、と密かに期待している。そういう期待も含めて、今年の自分の誕生日は、海外のバチェロットパーティーのように男性ストリッパーを呼ぶ予定だ。

 

(本日の一軒)
大五 白金高輪

 

白金にあるとんかつの名店。ランチ時は行列必至。お肉のクオリティが高く、分厚いとんかつと大量のキャベツが嬉しい。夜は一品料理も充実しており、しっぽり飲みたい場合も対応可能。揚げ物はちょっと…というゲストが居ても小料理でカバー可能。大将の安定感あるキッチンと女将の仕切りも小気味良い。

 

大五
03-3444-2941
東京都港区白金1-25-21 日興パレス 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131602/13007156/

 

お金で愛を買う(忘却編)

周囲にスポンジからケーキを作る人員がいないようで、クリスマスや誕生日にケーキを作る要員として駆り出されることがたまに有る。アラフォーのゲイがケーキを作っても特段新鮮味はないが、パーティーなどの状況で、ケーキを出すとみんな喜んでくれるし、それはそれで有難いことだ。そこで何故ケーキを作れるの?という質問をされることが多々有る。その答えは、英国人男の誕生日ケーキを作ったから、である。

 

4年ほど遡った2013年、僕は以前の会社内で部署異動をして半年程度経ったところでリストラ宣告を受け、会社をクビになった。ずっとニートをしていたいがそういうわけにも行かないので、フラフラとしながらも、一応再就職活動をやっていた。職業紹介をやってくれるヘッドハンターに連絡を取り、再就職活動をやるのが普通なのだが、ヘッドハンターの中でも僕のお気に入りはイギリス人のJ。背が高く白く透き通った肌をしたJは、僕よりも年上だったにも拘らず非常に若く見える貴重な白人男だった。

 

どうしてもJとセックスをしたい!という衝動に駆られた僕は、彼とご飯に出かけては、彼の肩を触ったりお互いの頬にキスをしまくっていた。一方のJにとってみれば、頬っぺたにキスなど単なるスキンシップ初級。彼に取ってはHello!という挨拶と何ら変わりはない。しかも彼のようなスペックの白人ゲイ男(しかもセックスはタチ)だと、東京では瞬間蒸発してしまう。彼のフェイスブックには綺麗なイケメンゲイがパーティーと思われるであろう状況でJと写真に写っていて、どう見ても僕には勝算は無いようだった。

 

そのような状況下でJと知り合って2ヶ月程度経った或る日、ひょんな事からJの誕生日が1ヶ月後に迫っている事を知る。一緒にお祝いできたら良いなーと思っていたが、案の定彼の誕生日パーティには呼ばれず、彼のFacebookで綺麗な格好をした方々が楽しそうに写っている写真を見て凹む自分。それならうちでやってやろうじゃない!と勝算の無い勝負で更に悪あがきをする自分。今思うと何と恐ろしいデスパレートなゲイなんだろう、と正直思う。当時はそんな状況把握もできない、挿入される欲望に駆られた痛いアラサーゲイだったのだ。2週間後に当時住んでいた二子玉川のルーフトップテラスがある部屋で彼の誕生日会(2週間くらい過ぎてるけど)をやる事となった。

 

肝心のケーキはスポンジが上手く膨らまず、数回の練習を重ね、多目に作り冷凍庫で保存。サラダと生春巻きで前菜となり、メインは牛肉のビール煮込みで決定。フィナーレでUnion Jackでデコレーションされたケーキとニコライバーグマンの花が用意されている… どんだけ頑張るんだよ。。ホイップクリームも乳製品があまり食べれない彼のために、豆乳のホイップクリームを使用。

 

当日は6月の初旬で若干の肌寒さも残る中、晴れた夜空の下で彼の誕生日会となった。エンドまで完璧に事は進み、彼も喜んでいたようだった。結局Jとは再就職活動中のお互いの利害不一致で気不味い雰囲気となり、それから音信不通となってしまったが、パーティーを一応は仕切る事ができるような体験をした事は無駄になっていないと思う。その後港区のちょっと広い家に引っ越してからはいろんな人達とパーティーする機会ができ、この体験は役立ったと思う。

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しかしニコライバーグマンの花束は20,000円、東急で買った和牛も15,000円くらいだった。ついでにル・クルーゼオーバル鍋も購入。失業中にもかかわらず6万円ほど彼の誕生日会につぎ込んだ。そのル・クルーゼで煮込み料理を作るたびに、イギリス人のJと当時の誕生日会、挿入を猛烈に求めながらもホイップクリームを泡立てていた、アラサーゲイの自分が脳裏に過る。

 

(本日の一軒)
イル・ルポーネ 中目黒

 

中目黒のイタリアン。ピザ窯で焼くピザは本当に美味。フレンドリーなスタッフさんとカジュアルな雰囲気にもかかわらず、料理とお酒の高いクオリティは有難い店である。

 

イル ルポーネ
03-5722-6789
東京都目黒区中目黒2-10-19 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13021093/

 

冷静と強欲の間

証券会社で勤務し始めて5年程度になる。ニートへの憧れを常に保ちつつ、日々朝07:00くらいから夜中まで働く日々は、慣れるまで正直時間がかかった。とは言え、今でも直ぐに辞めてニートになりたいという夢を抱き続けている。周囲のエリート人間に疲れ1社目を直ぐにドロップアウトした後、比較的緩く働ける今の会社へと転職した。周囲の同僚の8割が非日本人という面白い職場で、いつの間にか僕がゲイであることも周囲に指摘され公開され、日本支社長もそれを知っているというオープンな職場である事は、自分にとっては非常に幸運な事である。

 

証券会社は大体毎朝07:30から朝会が開かれるが、そこで目にするトレーダーの傲慢さに辟易する毎日だ。ウォール街の伝説トレーダーと呼ばれ、リタイアメントまでの間時間を持て余し、うちの会社に去年入社したRobin(仮名)は、朝会のテーブルで頬張るマフィンの食べ方と、それを流し込むコーヒーの飲み方が、どう見ても悪魔にしか見えない。白人至上主義の金融世界で、彼等の奴隷としてのポジションから這い上がるには、レポートを書いて投資家から認められるしかない。

 

強欲を詰め込んで大きく出た彼の腹は、踏ん反り返って座るハーマンミラーの椅子の上で大きく隆起し、悪魔のような彼の顔は、アナリストのプレゼンに皮肉を交えてツッコミを入れる度に大きくシワを作る。Robinを含めて今の会社にいるマネジメントは既に50代。過去のバブルも経験し、タフなメンタルと狡猾な政治力で億単位の給料を稼ぎ出して来た。しかしながら金融世界がテクノロジーにより一部置き換えられつつある中、彼等のような生活が今後5年間も継続するかは疑問である。特にRobinのようなトレーディング業務は既に一部が人工知能をベースにしたアルゴリズムトレーディングに代替されており、人間が介する割合も減少し始めている。彼の中学生の娘を先日オフィスで見かけたが、彼女が大学に行く頃、Robinの仕事はまだあるだろうか。

 

彼等の強欲さに辟易しながらも、一応好きではある会社分析をやりながら、関係会社との利害も考えつつ業務をやるのは正直疲れる。他の同僚はというと毎月給料のキャッシュインでいろんな疑問をやり過ごしながら過ごしている(と思う)。子供がどこのインターナショナルスクールに入っただとか、次の休暇はハワイでどこのホテルに泊まるだとか、決まり切った話題の中で、今日もエクセルの数字を前に顧客に突っ込まれながら、会社を勧める。6年前のように地震が起これば、何かしらの行動を起こせるようになるだろうか。そんな疑問をスタバのコーヒーで流し込み、今日もエクセルを叩く。

 

(本日の一件)
たまさか 西麻布
落ち着いた個室で戴く季節の食材を使った懐石料理が新鮮に感じる。和食は店の雰囲気や値段で敷居は高いと思っていたが、ここはお店の方もフレンドリーで僕のような新参者にもやさしいお店。

 

たまさか 西麻布
03-5485-6690
東京都港区西麻布2-21-11
https://tabelog.com/tokyo/A1306/A130602/13004801/

 

ゲイとしての人種指向性

ロンドンやニューヨークでゲイアプリを開いてその日の男探しをしている最中で自然と気付いていたことがあるが、ロンドンとニューヨークではゲイメンバーのプロファイルに "Only white and Latino, please"と平気で言っている人を結構な確率で見受ける。欧州も北に行く程、white onlyの確率が上がると感じる。北欧では人口対比で白人以外の比率が少ないと言うのも有るが、コペンハーゲンでのアプリはほぼカスリもせず、やっと会うことが出来たJohanは中国留学の経験があるユニークなバックグラウンドの持ち主だった。ロンドンでは地元の白人も認める、人種マイノリティにとっては最も相手探しに苦労をする市場である。トランプ米大統領就任後の雰囲気でこんな話題は愚かだと思うが、ゲイ特有の美的センスから来る無意識下の人種趣向性が有るのは否めない。 

 

中国では白人男性を巡って中国人女性が競争を繰り広げる市場も一部にあるようだが、当の白人男性にとってはそこでの関係に愛を感じない事があるという。とある白人男性によるブログでの体験談吐露では、「彼女らは欧州や北米での生活や国内に違った文化に興味があるだけで、僕らを決して愛している訳じゃないんだよ」と有ったが、それも間違いではないだろう。

 

僕もこれまで数年間、日本人以外の男性に魅かれる/興味を持つ傾向があったが、それは白人男性の筋肉量の多い大腿筋を見ながら股間にぶら下がる太い肉棒を見るのが良かった、だとか、白い上腕二頭筋をつかむのが良かっただとか、フィジカルな事が理由だったと思う。ゲイ友に「ヒデは外専?」と今でも聞かれることは有るのだが、本当はそうではないと思う。傾向としては有るが、人種に関わらず綺麗な人が好きだし、大腿筋を横目にぶら下がる肉棒を眺めるのも好きだ。

 

しかしそれでも白人や黒人、中華系アメリカ人や欧州人に魅かれるのは、上述の中国人女性と似た感情もあるのは事実だろう。日本社会にフィットできない不適合者としての遣りきれない感情をどこかで共有して、日本社会を外から見るだけで良いというスタンスを、彼等といる事である程度共有できるからだ。簡単に言えば不適合者の逃げ場。相手にしている彼等にとってみれば良い迷惑であろう。しかしながら、残念な事に、そこまで外国語が堪能でもないし、中途半端な海外経験しか無いので、その先のもっと深い所で繋がるという事は残念ながら出来なかった。

 

「自分は海外派だから」等という言い訳を言う気は全く無い。本当にそうであれば、今頃東京でダラダラしていないからだ。前職でも感じた事だが、スマートな人は相手が何処の国だろうがどんなバックグラウンドだろうが、柔軟で相手のことを聞くと言う姿勢を忘れない。そう言う人は、普通に感じがいいし、外資系の会社でマネージメントになる重要な資質を持っている。それはゲイ友にも言える。英語も堪能で外国人の友達も多いKは、誰に対しても感じがいい。自分を輸出するにあたって、単に少しくらい英語が話せて海外ドラマを見た所、結局は文化の違いも超えられないし、数回のセックスフレンドで終わってしまうだろう。白人が好きなゲイ友は、太いチンポがいい!と素直に宣うが、太い肉棒を感じた所で愛には繋がらないし、そもそもアジア人のケツ穴にフィットしていないと言うフィジカルな問題もあるのだ。

 

ぱっと見、普段見慣れないものに興味を持って足を突っ込んだ、日本ゲイの外人市場。その中で素直に良いなと思える友人も数人出来たし、彼等とは今後も繋がっていきたいと思う。しかし白い(または黒い)ぶら下がった肉棒のために、時間とお金を使う事はもう無いだろう。ただし、人種問わず繋がっていけるのが、ゲイのいい所でも有るし、面白い人であれば友達になりたいと言うスタンスは今後も変わらない。対象には勿論日本人を含まれている事は、言うまでも無い。

 

(本日の一件)
Day and Night 恵比寿
近所のサンドイッチで有名なダイナー。朝食をとる事ができる、この辺では珍しいvenueである。Burger Maniaにいらっしゃった気さくな店長さんと愛想がないレディーガガ似の姉ちゃんという変わったコンビで回している落ち着いたお店。サンド以外のメニューも美味しそう。

 

デイアンドナイト
03-5422-6645
東京都渋谷区恵比寿2-39-5
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130703/13189768/

 

セックスコモディティ化の果てに在るもの

先日会社のセールスの先輩と話していた時に、ふと家で仕事をしているかという話になった。
「実はさ、俺家にパソコンないんだよね」「えっ、じゃどうやって抜いてるんですか?」
「いや、実物呼ぶか、スマホでやってるよ、笑。でも最近は、セクフレでもそれなりに食事して話も楽しめる子が良いんだよね。デリバリーは本当に、デリバリー!って感じでさ、上下運動にしか思えなくなって」

 

客観的に会話を見返してみると、自分でもどんな会社だよ、と思うし、自分の民度の低さが現れていて若干凹むが、仕方がない。仲が良い先輩なのでまあ良いだろう。しかし、会社でも有名なヤリチンのYさんでも、上下運動はもう嫌なのか、と。先日会ったゲイ友は、友達との待ち合わせまで2時間くらい時間が有ったので、アプリで3P相手を招集し、見ず知らずの男達と3Pをしたそうだ。嘘か本当か分からない話だが、スマホによりセックスがコモディティ化してしまった、と感じるのは僕だけだろうか。

 

一方で、会社の先輩のように、上下運動以上の付加価値を求めている御仁がいるのも事実である。そもそも、セクフレがここまで汎用化し手に入り易くなる以前は、一連のプロセスが有って、挿入へと展開していたはずだ。

 

また、現在よりも従来は風俗へのアクセスもハードルは低かったのではなかろうか。これは人類文明開花と共に在った風俗業界の歴史を紐解く必要があろうが、スマホの普及は、男女間の性交に限って言えば、ここのスマホバイスまたはPCデバイスと個人間とのやり取りに限定され、「風俗若干後ろめたい」と面倒臭い感情を抱く恐らく多数派と思われるユーザー層を取り込むことに成功したのだろうか。

 

ゲイについて言うと、ゲイ出会いのスマホアプリは、ゲイメンバーのオンラインでのプロファイルの明確化、市場の流動性向上に資したが、一方で市場平均層のマッチング不消化を大きな問題として産んだ。既出のゲイ友のように、コンビニに行くように3P相手が見つかる程、僕の市場価値は高く無いだろう。しかし、ゲイ市場でのセックスのコモディティ化は目に余るものがある。三島由紀夫にもセクフレが居たらしいし、こういう簡単な性交、今に始まった事ではないが、男女間の恋愛感情ですら曖昧になってきている昨今(バイセクシャルが欧米ではぼちぼち見られるようになってきた状況下)、愛情も抱ける、普通に生活できるよ、というロールモデルがもっと出てきてくれることを願うばかりだ。今のような上下運動の繰り返しは正直もう充分である。やる事も全て想定できるし、もうエクササイズのようにしか見えなくなってきた。

 

キス(すらない事もしばしば)→勃起→ズボンをずらす→硬い肉棒を咥える→キス(無い場合もあり)→乳首をまさぐる→挿入される→上下運動→相手がいく→自分がいく

 

自分について言えば、愛情を抱ける相手をあと10年の間に見つけることが出来るのだろうか。僕ももう若くはないし、最近人生に生きる意味を正直見出せなくなっている。しかしオープン化した社会はそこに在り続けるし、今後セクシャリティの後退が進む事は、経済上のメリットを考えても、可能性としてはそこまで高くないのでは、と僕は考えている。3月に長い休暇を頂くことにした。これまでとは異なる場所で暫くゆっくりして筋トレをしながら、40までのプランを練り直そうと思う。

 

(本日の一軒)
アラスカ 中目黒


中目黒と池尻の間の目黒区東山にあるヴィーガンカフェ。食材の選別からしっかりやっていて、お食事の内容も季節で変わる、しっかり仕事系カフェ。ヴィーガンでなくとも、しっかり野菜摂りたい時に訪れるお店。玄米派には嬉しい一軒である。

 

アラスカ
03-6425-7399
東京都目黒区東山2-5-7
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131705/13050658/

 

 

 

村社会との境界線 - 東京都 新宿

訪日外国人観光客が2,000万人を突破する見通しで、2013年ビザ緩和以降の東南アジア、中国からの外客数はうなぎ登りで増加しているようだ。一時期話題にもなった、中国からの訪日観光客による「爆買い」も沈静化し、消費行動には一旦の落ち着きが見られているものの、2020年東京オリンピックに向けて、公共投資と共に、外国人観光客が増加傾向となるのは、現状の株式市場では既定路線として見られている。

 

外国人観光客のせいではないが、新宿は相変わらずのカオスである。先日実家の両親が都内でホテルを予約しようとしたが、新宿近辺の中価格帯ホテルはほぼ満室だったという。

 

僕は新宿が非常に嫌いだ。田舎モンのてめーに言われたかねーよ、という東京都の西部の方々、申し訳ない。しかしながら、どういう事だろうか。新宿は限りなく「地方」を身近に感じる場所である。それは、観光客が多い地区である事、都内でも、都外からの流入が多い事、などが関係しているのであろうか。

 

僕の理解では、新宿は日本の中の「境界」だと思う。地方と東京都23区を区切る境界だ。一方、地方都市は、僕にとっての「村」である。偶然に新卒で東京で仕事をする事になり、偶然に東京都の居住者となることになったが、東京に来た事の本当の目的は、自分の「村」からの離脱だったんだろう、と後付けの結論として感じている。

 

特に僕のようなゲイにとって、地方都市は牢獄に等しい。基本的に同じ都市内に出会いは無い。政令指定都市であるのに、先日帰省した時にアプリを開いて見たが、最も近いゲイは市内から最低1.5マイル離れていた。(東京で開いても基本的に安否確認ツールに成り下がっているので、あまり意味は無いが…)。また、人間関係も必要以上に近い、と思うし、男尊女卑の考え方が未だに若年層の中に生きている。そんな至近距離のコミュニティの中で、いい年をして独身で居続けることで、半ば犯罪にも近い居心地の悪さを感じざるを得ないのである。

 

そんな地方都市は、江戸時代近世の、五人組制度から抜け出せていない「村」社会だ。東京はそんな村社会から離脱できる唯一の場所だと思う。東京でも世田谷等、コミュニティ内の結び付きが強い地区はあるものの、価値観自体は地方とは異なる。「女性だからお見合い相手でも結婚しろ」だとか、 「男は台所には立たない」だとかいう暴論は存在しないだろう。地方の僕達の両親くらいの年代では、未だにこんな事を言い出す人達は、平気で存在している。

 

新宿にいると、そんな「村」である実家を含めた地方を限りなく身近に感じてしまう。それは外部からの流入者や流れ者も受け入れる懐の広い、何でも飲み込んでしまう新宿という街の良い所だ。しかしながら、新宿の街を歩く事で、これまで遠ざけていた地方をこれまでもなく身近に感じ、ノスタルジーと嫌悪感の入り混じった複雑な心境になってしまうのだ。その一方で、僕は、何となく澄ました顔をし、希薄な人間関係の中で日常生活を送れる港区の生活に満足している。港区出身の方にとっての感じ方とは大きく異なるはずで、この感じ方は一部の田舎者が感じる事として、鼻で笑って頂ければ有り難い。

 

僕は今後も東京都の居住者で有り続け、実家の都市に定住することはないと思う。それは仕事というフィジカルな原因でもあるし、価値観の分断も原因でもある。そんな中東京で自分の事を受け入れてくれ、または存在を見逃してくれている周囲の同僚や友人達には感謝している。僕は生まれ育った都市を放棄する選択をしたし、今後の超高齢化の中で地方創生を云々と議論する知能は持ち合わせていない。そんな中、僕は今後も東京の中で漂流し続けて、何処かに流れ着くのだろう、と漠然と感じながら夜中までExcelをたたき続けている…

 

(本日の一軒)
おそばの甲賀 乃木坂


西麻布の蕎麦屋ジモティ蕎麦屋としての扱いなのか、常連客が多い。静かな空間で鴨南蛮蕎麦を味わう至福が何とも…小料理も充実しており、卵焼き、サラダ的な居酒屋小皿も有るのが嬉しい。ふらっと入れる貴重な西麻布の老舗。

 

おそばの甲賀
050-5591-0325
東京都港区西麻布2-14-5
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13047594/