Tokyo HideOut

アラフォー外資系金融勤務のゲイHideが描く日常

セレブゲイ - Part 1

僕のゲイ友の一人であるSさんはニューヨーク在住だ。日本国籍で名前も日本人の姓名。4年程前の4月下旬、Sさんが自身の運転免許更新で帰京していた際、出会い系アプリのJack'dで偶然知り合った。写真からも感じていたが、名前と外見が全く一致しない。顔や身体的な特徴は、どう見ても白人の遺伝子によるもの。実の所、彼はイギリス人と日本人のハーフ。彫りが深くて高い鼻と東洋的な大きな黒い眼が印象深い。ちょうど次の仕事を始める7月まで時間があったので、僕は6月にSさんが住んでいるニューヨークのお家に遊びに行くことにした。

 

実はその時の2012年ニューヨーク訪問が僕にとって初めてのニューヨーク。ブルックリン大橋をタクシーで渡り、見えてきたマンハッタン島からは物凄いエネルギーを感じて身震いをした事を覚えている。教えて頂いた住所に従ってタクシーで行くと、そこにはハイラインやHotel Standardなどが有る、当時最先端と言われていたおしゃれエリアだった。その一角にSさんの住むはずのフラットが。エントランスのインターフォン鳴らすと、「ちょっと待ってて、すぐ降りるから」という明るい日本語が聞こえてきた。

 

降りて来たのは、背の高い短パンとタンクトップ姿のSさん。お互い軽いハグをすると、ドアマンに軽い紹介をされて挨拶を交わす。そしてリフトに乗って着いた先は、最上階13階のペントハウス。ドアを開けた先には、シンプルで無駄のない白を基調とした空間が広がっている。その先に見える全面ガラス張りのリビングからはハドソン川左岸が見渡せる。

 

「これからご飯行くけど、別の友達も来るから」「その人もアメリカ人なの?」「そう、東京で知り合ったアメリカ人なんだけど、偶然ニューヨークに出張で来てるんだって、だからみんなで晩御飯行こうと誘ったんだ、良いよね?」

 

Sさんのフラットに姿を現したのは、優しそうな雰囲気のアメリカ人。そして、そのアメリカ人B氏は某有名化粧品会社の日本支社社長…「ファーストクラスだったから、FAのおばちゃんから、御社の化粧品いつも使ってますってずっと言われたわ!」とB氏は非常に流暢な日本語で話し出した。東京港区在住で、日本には10年以上居住しているらしい。

 

彼のフラットから歩いて10分程度、ハイラインを歩いて辿り着いたのは、そのエリアで最もhipなホテル、The Standardだった。ディナーを終えて、ホテルのルーフトップバーに行くことに。Sさんのまた別の友人達もそこに合流し、合計で6人のゲイ会に。6月のニューヨークは日が長くカラッとした天気で、ルーフトップバーは非常に混んでいて活気があった。

 

他の3人は皆ニューヨーク在住のアメリカ人で、役員クラスの金融系、コンサル、薬品と皆様社会的地位の高い年上の方々… 彼等の話題は、休暇で行った旅行の話、泊まったホテルの内容、レストランのクオリティ、そして現地で寝た男達の話…当時30を過ぎたばかりの東京で小市民をやっていた僕にとって彼等の話ははスケールが大きく全くの別世界。もちろん使うお金の単位も1桁違う。気さくで話し易い雰囲気の彼等と、僕はすぐに打ち解けることができ、お互いの事を紹介し合った。気付けば夜の10時過ぎ、開放的な雰囲気の元で、僕はニューヨークのセレブゲイ達との会話に夢中になっていた。

『Gaycation』- 存在承認

エレン・ペイジジュリアン・ムーア出演の映画FREEHELD。アメリカのレズビアンカップルを描いた映画である。エレン・ペイジは、高校生の妊娠劇『ジュノ』でも有名だが、彼女が本当のレズビアンとはご存知だっただろうか。Netflixのトークバラエティに出演している際にサラッとその事実が流れ、驚いた記憶がある。


その流れで最近観ているのが、そのエレンが出演する世界のゲイシーンをテーマにしたドキュメンタリー番組『Gaycation』。今回添付のリンクでは日本が舞台、東京に住むシングルマザーの元で育った日本人男子が、母親に自分がゲイだとカミングアウトをするというシーン。エレンとその友人の前で、彼は母親に、彼は自分がゲイであるとカミングアウトするのだが、母親は息子の告白に居た堪れず、思わず外に出て行ってしまう…

https://youtu.be/xKUlte3lDaY


人間は複雑なようで、実はすごくシンプルな生き物なようだ。乳幼児の頃の母親との関係が、成人後の精神状態にも影響し続けると言うが、助けを求めようとして母親が抱っこをしてくれる、ここに居るよ、と子供に助けを差し伸べ、子供の存在を承認する。存在を認めているよ、という動作はシンプルなようでいて、非常に大きな安心感と安定を人にもたらすもので有るという。幼少期、青年期をその承認を得がたい環境で過ごした子供は、愛を他者に求める過程で何らかの障害を持つようになると言うのだ。


高校生くらいで自分が男しか愛せないかもしれない、と気付いた子供が、両親に存在を否定される不安を抱えながら生きていけば、彼等の距離が遠くなって行くのは自然な事だ。社会も未だ制度的に同性婚を認識するに至って居ない中で、ゲイにとっての問題とは、「存在を認めているよ、構成員として居て良いんだよ」という承認が欠落している事だろう。そこから引き起こされる漠とした不安が、精神的な不安定さやコミュニケーションでの未熟さの原因になる事は、有り得ない推測ではないだろう。カミングアウトをして、結果として家族関係が良好で続けば良いのだが、そこで拒絶され最後の砦を喪った子供は、何を頼りに生きれば良いのだろうか。


現状周囲の友人達を見てみると、ゲイコミュニティの中や、一部のノンケ友人間での相互承認により補填しながら生きているというのが多数派なようだ。僕は職場でカムアウトしているけれども、日本の会社だとそうも行かないだろう。『Gaycation』に出てきた男子は、初めて母親に拒絶されてどんなにつらい想いだっただろうか。同性婚なんて別ええねんと思っていたが、枠組みとしての第一歩を踏み出して行かないと、結局は誰からも認識されないし、承認もされない。そこから少しでも我々が安心感を持って自分の存在を徐々に承認し、他者との関わりを持って行く事が重要なのだと思う。これは、ゲイに限った事ではなく、シングルマザーだったり、他の社会的少数派に対して言える事。少しでも生きやすい世の中になれば、ゲイだって悪くはないと思えるようになるだろう。

 

(本日の一軒)
銀座 松玄
天ぷら、そば、日本酒、一品料理、個室。カジュアルながらも、雰囲気と料理の質、両方を味わえる店であり、お気に入りの銀座松玄。個室は非常に狭く、デートにお勧め。お酒の種類が多く、選ぶのが楽しい。

 

松玄 凛
03-5568-8989
東京都中央区銀座7-8-7 GINZA GREEN 4F
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13005021/

ゲイ恋愛就職活動 - 2

前述の通り、ゲイの恋愛活動は、スマホでの
個人間やり取りが主流となっている。パソコンでのインターネットが普及し始めた90年台後半から2000年代にかけては、個人HPによる情報発信が主要なコミュニティであり、そこから派生する「オフ会」で他のゲイと知り合うというのが主要な手段であった。


近年出会い系スマホアプリの登場により、個々人の所在分布がより明確となった一方で、全体ポートフォリオの構成員が明らかになったことで、スクリーニング及びマッチングの厳格化が進んだのでは無いかと僕は感じる。
「これだけ居るんだから、もっとカッコいいイケメンがいるのでは無いか?」


そこでのユーザーは、タップとスワイプによって「いいね」や「お気に入り」で管理される消費財に過ぎない。自分に不都合になったり、コミュニケーションが重くなれば「ブロック」をすれば、即座に相手の存在を消去することが出来る。


US発出会い系アプリのTinderが日本でも人気になってきており、日本人ユーザーの増加が顕著になっているとも報道されており、スマホによる出会い系サービスの普及は男女間ストレートの世界でも手段の一つとなってきた。しかしながら、僕は実の所、スマホアプリはお勧めしない。オフラインでの出会いの場を積極的に作って、実際の雰囲気や会話を楽しんだ方が、精神衛生上より健全な男女関係を形成できると感じる。


ゲイアプリではお互いがマッチングしても、会話が始まる事はあまり無いし(間違って「いいね」を押すこともあるけれども)、お気に入りに入れられたからといって、何かアクションを起こすわけでも無い。僕はどちらかと言うと、自分からメッセージを送ったり、会いませんかと誘う方だけど、上手く友達関係に漕ぎ着けるのは、コミュニケーション全体のうちの一桁%程度だろう。


これは、まだみんなが最短でセックスを出来る関係を求めている事と、少数のイケメン(しかもタチ、Top)に需要が偏重していることが、構造上の問題として挙げられるだろう。このような歪な市場環境では、イケメンはますます自己愛を増殖させ、その一方で平均値の僕らは、永遠にマッチングしないという状態に陥るのである。しかし、ここで必要な事は個々人が理想像を追い求め過ぎず、市場基準を知って、身の丈に合った恋愛を求めればいいのだと思う。そうすれば、イケメンヤリチンへの見方も少しは変わってくるのではないか?必ずしもイケメンヤリチンが悪というわけではないが、不当な市場プレミアムは、是正されるべき問題なんでは?と個人的には思う。って、これって単なるブサメンの僻みやん…こうしている間にも、マッサージ師のSさんはイケメンの射精管理をし、イかせて対価を受け取ったり、ヒモのバンドマンは新たな寄生先を見つけたりしている。結局は、自分の欲望に負けず、大事な基準を貫き通せる強さなんだろう。それが市場平均値な僕なりのプライドだ(加齢で平均値から脱落傾向にはあるけれども…)

 

(本日の一軒)
コーヒーハウス ニシヤ 渋谷
金王八幡宮の近くにある、ローカル住民のためのオアシス。パニーニとコーヒーのモーニングで朝を迎え、その後、金王八幡宮で参拝するという定番の流れ。周辺は静かで、何処と無く空気が凛としている。店内の男性スタッフ2名は非常に真面目で丁寧な仕事っぷりで、コーヒーを淹れ、パニーニを焼いていく。かなり好感度が高い渋谷のコーヒー屋。

 

コーヒーハウス ニシヤ
03-3409-1909
東京都渋谷区東1-4-1 尚豊ビル 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13160517/

セックスフレンド - AV男優のケース

ゲイの世界でセックスフレンドは、デリバリーピザのように手軽な性欲の解消手段であろう。スマホアプリによって、簡単にゲイの所在が明らかになった昨今、エッチをするために誰かと会う事は、大変容易になった。自分のゲイ友のうち、およそ半数は過去または現在セクフレがいる、というザックリとした印象。


セクフレなので、エッチをし終わればさようなら、という人もいるし、中には一緒に遊びに出かける友達もいる。それって付き合ってるんじゃないん?と突っ込みたくなるが、彼氏との境界線が曖昧なのがゲイの特徴的な所でもあろう。


こんな便利なセクフレ。ノンケの友達からは「ゲイ、マジ羨ましい」などと冗談交じりで言われるが、中にはストレスの源にしかならないセクフレもいるのは確か。


直近のセクフレはGWに出会って秋まで絡み合った京都人のK君。初めは新宿でお茶をして普通にデートか?と思われるような出会いだったが、彼は結局の所、自己中の塊のアラフォー男なのであった。エッチをするきっかけは「ジム行った後にご飯でも行こう」という僕の誘いから。暫くして来た彼からのLINEを見ると「いいよ。でも、ちょっと言い辛いんだけど、これってオショックス?」
は?オショックスって何やねん?何度か読み返すと、お食事とセックスという事だった…

 

Hide「K君はやりたいの?」

K「いや、そうだったらちゃんとしたパンツ履こうかなと思って…」


K君は一見厳つくて怖いが、喋ると非常に声が小さくて、たまに挙動不審だ。「でも、俺、夏になると日に焼けやすくて黒くなるから、AV男優だっていつも言われるんだよね」日に焼けたK君はどう見ても、チョコボール向井である。チョコボール向井と一回絡むかと決断し、結局ご飯の後の流れでAV男優をうちに上げる事に。
しかし彼とのセックスは他人の身体を使ったマスターベーションだった…フェラをするように促したかと思うと、僕の顔をそこから引き剥がすようにして自分の唇に持っていきキスをする。これの繰り返し。一緒にデートした時にも気付いていた、後ろから来る人の為にドアを持っていない、ご飯に一緒に行ってシェアするはずの物を一人で何も聞かずに食べてしまう等、彼の普段の行動から想像できそうなセックスである。僕は上腕二頭筋を掴みたくてエッチしてみたが、これでは何のためにエッチをしているのやら…


しかし一方で、彼と付き合えるんじゃないかというアホな期待も少しは有って、この関係を続けてしまう。しかし彼の行動は段々雑になり、一緒に出かける事も無くなって、うちに来ては、フェラとキスをして彼だけが気持ち良くなって、勝手に去って行くだけの展開に。待機風俗か!と叫びたくなるような関係。アルテイシアの言う通り、セクフレは損でしかない。一度自分の値段を下げてしまうと、そこから正規料金を支払わせようとしても無理なのだ。結局の所、雑に扱われて捨てられてしまう。男女の関係だと、やらせないという選択肢も有るが、ゲイの世界だとセックスは挨拶がわりにやっている人達も半数くらいか。エッチをする事への心理的ハードルが異常に低い事が、エッチを拒んで自分にプレミアムをつけるという行為を無効にする。自分が絶世のイケメンでない限り(平均またはそれ未満)だと、他へと確実に流れて行ってしまうだろう。


これは別稿で論じるべき事では有るが、結局の所、婚姻制度及び家族形成は、男性のチンポを暴走させないための抑止力の一部に過ぎないのでは、と思う。それでも風俗で女を買いまくっている会社の既婚上司などはいるが、婚姻制度が抑止力として働いている事は確かで有る。男だけのゲイの世界では、文字通り酒池肉林の世界が根底にあって、そこからのライフスタイルを考えないといけない。その思考無駄じゃね?というストレートの貴方、正しい!ゲイの出会い系アプリを開いても、ほとんどがエッチのお誘いだ。またはエッチから関係を始めるというも事例も有る。しかしゲイという生き方を選択したからにはライフスタイルに対する自分なりの着地点を見出さないといけない。と、こんな事をウダウダと考えながら、今夜も仕事帰りに渋谷のゴールドジムでスクワットをするのであった…

 

(本日の一軒)
上海料理 湘坊 汐留
上海料理と名を打っているものの、四川担々麺と麻婆豆腐ご飯が激美味の電通ビル内中華料理屋。片言の中国人スタッフの雑な対応だが、料理全体の安定感は抜群。昼間は行列が… 野菜たっぷりの中華麺もオススメの一品。

 

精作名菜軒 湘坊
03-6215-8020
東京都港区東新橋1-8-2 カレッタ汐留 B1F
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13005659/

お金で愛を買う - Case1 マッサージ師 (Part2)

愛をお金で買う Case1 (Part1はこちら)

http://hide0016513.hatenablog.com/entry/2016/11/21/001305

2回目のタイマッサージは11月初旬の肌寒い土曜日の朝。身潔のつもりで早朝からバスタブに浸かり、今日はSさんセッションやわーと、彼に再開できる期待を胸に僕は広尾へと向かった。

2回目だからかお互い少しはリラックスして話せる雰囲気に。「このパンツ変わっていますね。何用のパンツなんですか?」施術着はジャージ素材の手触りがいいコットンパンツ。足首がゴムで絞られていて、足首までは非常にボリュームがある珍しいシルエット。「それはねー、インドで買ったんだけど、サリーの下に履く用なんだと思うんだよね。あまりにも着心地がいいから、ここの施術着にしてるんだよ」フットバスで優しく脚をマッサージしながらSさんはこう答えた。フットバスの中から香るユーカリとティーツリーの香りが自分好みで良い。THREE好きな自分としてはとても心地よい。

 

今回も前回同様のプロセスでマッサージは始まったが、中盤以降、お腹を触られると急に苦しくなった。他人への拒絶反応だと彼は言っていたが、2回目のセッションで、しかも仰向け。お腹を触られると動物の本能で、そりゃー拒絶したくなるのは当たり前ではないんかい!と突っ込みたくなる。その後何故か、股間を攻めてくる彼。「マジかー…」と焦る僕。彼はタイマッサージの要領で僕の腕引き上げながら、座って彼にハグをする様なポジションに。そこからSさんの手が僕の手を、彼の膝に置く様に促す。


「ヤバい。自分の股間、めっちゃ硬いんやけど…」何とか深呼吸で落ち着こうとさせるが、彼の手は未だ僕の股間の上にある。
「射精したいですか?」と耳元でささやく彼の声が。そんな展開を期待していなかっただけに彼の発言に驚いた。「いや、それは…」返事に窮していると、「ここは修行の場ではありません。瞑想もヨガも日常の一部なんだと思います」えーと、これって私のチンポにおいてある手と何か関係ある…?全く意味が分からん。結局欲望に負け、彼のなすがままに。「イク顔を見せて」と言われそのまま自分の腹の上に撃射。あーあ、やっちゃったわ。最初に「パッケージ化されたエッチはもう欲しくない」って一応彼に言ったよね。全く聞いてないやん!男は誠に哀しい生き物だ。「いっぱい放射状に出たね。泣きながらイッことってある?イかせたいなぁ」と髭面のSさんは僕の顔を撫でながら、こう言った。


果てて疲れた僕をハグしながら、「出来ないこともあるけど、ハグをしてほしければするし、射精を望むので有ればする、話を聞いて欲しければ聞くし、そこは上手く使ってくれればいいんだよ」「こちらも施術しているのに、ラポールを感じられなくて寂しかったんだ。それでHideさんには射精が必要だと思ったんだよ」


違う、自分が求めているものはこんなパッケージ化されて切り取られたコミュニケーションじゃない…喜怒哀楽含めた日常生活のコンテクストから得られる他愛のないコミュニケーションなのに。しかも、ラポールって、たった2回目の施術で形成されるようなものではないじゃないか。しかしほんなら行くなよ!っていうツッコミ至極真っ当です。あー自分ってアホやな。彼は自分が告白しても相手にされるような人じゃないし。真面目な気持ちで彼とお近づきになりたいと考えていた僕の心はちょっとだけ傷付いた。果てた後に遣り切れない後悔が残るばかり。


そんな気持ちでお別れの挨拶をした後、Sさんの自宅のドアはあっさりと閉められ、こんな自分の思考も何処かに捨てられたような気がした。自分はバンドマン(後述)との一件から何も成長していない。


今回の顛末をゲイ友に話すと「次に好きな人が見つかれば、まあ忘れるよ」という返事だったが、次とか暫く無いねん… しかし、理想を自分の中で勝手に高めて、現実の基準感を肌で知らないのは結局の所は自分だった。誘われる事はゼロでは無いのに、そこで切り捨ててしまうのは、僅かな可能性を捨ててしまうことで賢明では無い。今後はどんな誘いに対しても、アルテイシアの「三顧の礼」では無いが、きちんと3回会ってから判断しよう。愛をお金で急いで買おうとしても、結局は自分の心を傷付けるだけだ。


僕はSさんを崇め奉り、教祖として勝手に憧れていた。それは裏返すと自分への自信の無さと自尊心の低さから来ていたもの。特別な人に見えたSさんは、結局の所「年下が射精するところを見たい、射精管理して泣かせたい」という若干の変態男であった… 耳元で囁く言葉はよくよく考えればロジックも通っていないエゴな主張。しかしあれはマインドコントロールに近い。危うく僕も射精管理されてマインドコントロールされるとこだったか。以前絡んだケヴィン(後述)のように、家具や壺も買わされたかもしれない… 


40歳にまでやるべき事、先ずは忍耐力を持ってコミュニティに参画し、友達と関わっていく事。お金を払って射精をし、ハグをしながら会話をする擬似彼氏を数十分味わった所で、自分の人生は何も変わりはしない。

 

(本日の一軒)
台湾料理 麗郷 富ヶ谷
大好きなエリア富ヶ谷台湾料理屋。サンラータン麺が美味い。これまで自分はランチ時の利用のみ。あのサービスの雑さに反して、サンラータンの味は地元並み。楽天CEOの三木谷氏も訪れる地元の名店。夜に一度行ってみたい日常使いの台湾料理屋である。

 

麗郷 富ヶ谷
03-3485-3052
東京都渋谷区富ヶ谷1-14-18 ハウス池田
https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131810/13061515/

ゲイ恋愛就職活動

ゲイの恋愛活動は就職活動と似ている。スマートフォンの普及率が60%近くなって来たネット社会の中で、出会い系アプリが最も頻繁に活用されているツールだ。そこでの重要事項は、如何にプロフィールの写真が男前か、身体の筋肉が凄いか、の2項目に集約されるんではないか。

最近は自分の年齢も有るだろうが、写真による書類審査→面接(実際に会う)までのハードルが異様に高まっている気がする。待っていれば先ず誰からも連絡は来ないし、こっちからメッセージを送って返信が来る確率は10%以下だ。面接に行けない…イコール友達が出来ない連鎖に陥ってしまう。

しかも通常のノンケの世界の様に合コンが無いのが正直痛い…友人のU-SKは、友達は友達!と厳格なラインを引いていて、紹介してくれる友達の輪の中では恋愛沙汰などもってのほか。友達の輪の調和を取ろうとするちょっと厳しい奴だ。その分、義理人情に厚く、誰に対しても優しい、アツイ男なんだが。

もっと友達の輪を広げていきたいのに、ゲイ受けしない顔がそれを阻害していると自分では思う。ヒゲでも生やして男っぽくしない限りは、みんな興味を示してくれないのだ。最初は友達だとわかっていても、出会った相手がイケメンだと期待はするし、恋人になりたいと願う。しかし恋人と友達の境界線は、ゲイの世界では曖昧だ。友達として会う建前でも、相手が男臭くて自分の好みに近いタイプじゃ無いと会う事は難しい。皆んな理想が高いのだろうが、もう少しいろんな人と出会って、現実的な基準感を肌で感じたら、東京のゲイコミュニティももっと出会いとマッチングが増えるのかもしれない。

大事な事は、筋肉の量よりも、病気の時に一緒にいてくれたり、ピンチの時に助けてくれる人だったりするのだから。往往にして自己愛が強いイケメンに振り回されるより、近所の男子の様な一見普通に見える、しかし地に足のついた堅実な男と一緒に歩む方が、自分にとっては現実的だし、より幸せになれると思う。

現実と理想の調整をする事は大事だ。しかしそのためには自分の人生での優先事項、何が大事で何が大事では無いか、が分かっていないと絞り込みは難しい。僕が最近大事にしている事は、物事に対する有る程度の柔軟性と好奇心。もっといろんな事を体験したいし、できれば友達みんなで楽しみたい。そんな輪の中に好奇心をもって入って来てくれる人がいればいいなぁーと率直に感じる。

就職活動になると髪の色を黒に変え、規定通りのリクルートスーツに身を包み、戦略に則りエントリーシートをSubmitする。自分がやるべき事もきっと同じなのだろう。ジムに行き身体を鍛える、ボディーラインが分かるタイトで且つスポーティーな格好をし、キャップを被る。髭を生やして男臭くて、、書いていると、「これって自己否定?」とも思えてくる。だが、恋愛格闘家のアルテイシアも言っていたが、ゲイ受けする格好をコスプレとして認識して、中身は素の自分をキープしても良い、と。果たして来年が自分のゲイデビューの年になるのだろうか…

 

(本日の一軒)

先日会社の接待で行った麻布十番にあるトルコ料理店。食器から食材まで非常に洗練されていて、静寂の中でのトランプ大統領についてのディスりのギャップが何とも言えないバランスだ。トマトベースのソースが多く、ケバブの匂いもスパイスのせいか、あまり気にならなかった。トルコワインもラインナップが豊富。デートや接待にぴったりのVenue。

 

ブルガズ アダ
03-3769-0606
東京都港区麻布十番3-7-4 麻布六堂 3F
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130702/13055381/

お金で愛を買う - Case1 マッサージ師

お金で愛を買う事は出来るのか?はい、勿論出来ません… とは分かっているものの、自分には直近まで3回、愛をお金で買おうとした愚行の過去がある。僕は3件とも傷ついて終わり、その後、頭がおかしくなった。今回はその中でも一番軽症な直近のCase1 - タイマッサージ師Sさんの件。事の顛末の要約は、仕事としてエッチな事をしているであろう人に対して、あろう事か真面目なデートができたらなぁ、と童貞男子並みの妄想を抱いて、それがあっさりと仕事として処理され、コミュニケーションも断絶されて終わったというケース。35歳にしてこの愚行、痛すぎます。しかしね、最初から射精させられるなんて想像してなかったし(いや、少しばかりは期待はしてたよ)、何よりパッケージ化されたエッチはやりたくなかったのだ。じゃあ射精サービス100%無い普通のマッサージに行けよ、と突っ込まれるであろうが、単に僕は寂しかったのだと思う。お金を払えばゲイのイケメンと会話ができる、という悲しい現実。ちゃんと話せるゲイ友が居ればよかったのかも知れないが…

 

出会いのきっかけはアプリ
我々ゲイが日常的にログインする出会い系アプリ、そのうちでもメージャーなアプリの一つJack'dでの事。Sさんとの接触もそのアプリを通してであった。彼の外見を形容すると、髭面の無骨な中年イケメン、オシャレそうで優しそうな第一印象を受けた。インスタのアカウントもあり、彼のセンスの良い日常がそこから垣間見れる。日々のご飯や使っているもの、旅行で訪れたと推測されるアジアの風景。僕は簡単な挨拶がわりに、「インスタの写真素敵ですね」と短いメッセージを送った。すると翌日彼から返信が来ており、「見て下さって有難うございます!」との返信が。プロファイルをよく見ると、タイマッサージ師をやっているとのこと。「どんな人なんだろう。」僕は好奇心に駆られて、彼のタイマッサージセラピーを予約した。

当日は爽やかに晴れた秋晴れの10月下旬の土曜日。午前中の予約を目指して広尾から彼の指定した場所まで歩く。到着したのは普通のマンション。少し緊張しながらインターフォンを押すと優しそうな男性の声がした。この人がSさんか。しばらくすると髭を生やした優しそうな背が高い男性がドアを開けて姿を現した。部屋の中はすごく良い香りに包まれている。恐らく自宅だろうか。家具もオシャレで非日常的な空間がそこにはあった。

やや密着するタイマッサージは至極普通に進み、足の無垢みを取り除く事から始まって行った。途中で股間近くにも触ってくる時はあったが、特段のハプニングは無し。最後はハーブティーを飲みながら軽く会話を交わして、彼の部屋を後にした。「爽やかで良い人だったな、もっと会話をして彼の事を知れたら良いのに…」特段エッチな事は期待していなかったが、僕は彼の事をもっと知ってみたかった。「どんな人なんだろう。」そんな事を考えながら2週間ほど経ったある日、また僕はSさんに次回のタイマッサージセラピー予約のメールを送っていた。